健康増進、病気の治療、病後の療養、メンタルヘルスを目的として、森に入ることが盛んになってきました。森林浴は、ストレスの緩和だけでなく、森に入ることで得られる効果には科学的根拠があります。憂鬱な気分が晴れたり、悩み事を客観的に捉えることができたり、前向きな気持ちになれたり、混乱していたことが整理されて頭がすっきりしたり、新しいアイデアが浮かんだりします。副交感神経に作用しますから、リラックス効果があり、細胞の新陳代謝を活性化させ、疲労回復を促します。アンチエイジングが期待できます。うつ状態やうつ病の原因のひとつは、血中セロトニン濃度の低下にあると考えられています。 森林浴は、都市部での散策と比較して血中セロトニンを有意に上昇させることがわかっています。森林浴はうつ状態の改善やうつ病の予防に有効であることが示唆されています。
欧米では、森林浴が自然療法として医療現場で実用化されています。ドイツでは、森林浴や森林での保養に健康保険が適用されます。慢性的な痛みを持つ患者や抑うつ状態の患者に対して行った森林療法の実験によって、症状の緩和が見られたという報告もあります。脊椎の手術を受けた患者が日光の当たる部屋で入院した場合、回復中の痛みやストレスが減少し、鎮痛剤の服用量が少なくなったことも報告されています。
ところで、日本人の1人あたり医療費がどのくらいかご存じですか?生涯で使う医療費は1人あたり2700万円です。5歳刻みでは0~4歳で124万円で、10代後半までは減少します。20代から増え続け、65歳以上で200万円を突破します。75~79歳、80~84歳でそれぞれ300万円を超え、75歳以上で生涯医療費の4割となる1千万円を費やしているのです。ただ森に行くだけで、こんなに効果があるのに、多くの方たちが医療費にばかりお金を費やしていることには驚きを隠せません。 |