ブッシュクラフトとは、必要最低限の装備で森林や原野などに出向いて、なるべく自然環境にあるものを利用して数日間そこで生活するアウトドアスタイルのことです。近年注目されているアクティビティです。最低限必要な道具のみを持ち込むブッシュクラフトでは、自然のなかにある素材を利用し、必要なものを現地で加工して調達する楽しみがあります。一般的なキャンプでは、自然に近いところでくつろぐという感覚ですが、ブッシュクラフトでは、自然の中に入り込んで一体になるといった感覚の違いがあります。その達成感は、一般的なキャンプと比較して、その何倍も大きいものです。
まず始めに行うのは、自分の居場所であるシェルターづくりからです。立っている木を利用したり、拾ってきた枝を使ったりして、シェルターを建てます。テントを持参しなくても、タープのような大き目の布とロープさえあればかなり重宝します。ロープの使い方次第でいろんな形がつくれるので、夏はひさしだけの風通しのよいシェルターにするのもいいですし、冬は風を避けるために壁の枚数を増やしてもいいでしょう。森で野営するなら、ハンモックを持参するのが便利です。地面がフラットでなくても、問題なく居場所を確保することができます。寝床用にひとつ、荷物置き場用にひとつあれば完璧です。次は、火を起こします。着火剤を持っていってもいいですが、マッチやライターを持っていって、現地で枯葉やまつぼっくりを拾って火を付ける方法もあります。自分で起こした火でコーヒーを入れて、自分でつくったシェルターで寝る。その体験が何事にも代え難い楽しさになるはずです。究極のアウトドアとして認識されているブッシュクラフトは、自然をより身近に感じられるのが大きな魅力。大騒ぎをしたり、何人かの仲間とゲームをしたりするわけではなく、お腹が空いたらご飯をたべて、眠くなったら寝て、原始的なライフスタイル自体を楽しもうという試みです。
自然の中では、澄んだ空気が身体に溜まった邪気を洗い流してくれるような感覚があります。頭を使って何かを考えることをやめて、自然のリズムに浸ることで、頭がすっきりと冴えてきます。森の中では5感も研ぎ澄まされ敏感になります。風の向きが変わったり、雨が降りそうな湿度も感じ取ることができます。時間の流れはゆったりしていて、視野が広がる感覚もあります。こういった感覚は、人工的なモノに囲まれている現代的な生活では体験できないものです。便利なグッズに囲まれた日常暮らしからしばらくの間、あえて離れてみることで、人間の原点に回帰したような感覚を得ることができます。その場にあるものを活用してアウトドアを楽しむことは、ブッシュクラフトの大きな楽しみです。よくある一般的なキャンプでも、自然に親しんだ感覚はあるとは思いますが、そのレベルがけた違いに違うものです。自然に親しむというよりも、自然の中に溶け込んで同化してしまったような感覚を得られることでしょう。 |